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検索で見つけてもらえない今、自社ECが「思い出される店」になる方法

江藤正親

江藤正親

アンリミテッドアム株式会社 CEO

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Google 検索で要約が表示されると、検索1位のクリック率が大きく下がっています。Ahrefs の調査では、日本の情報収集型のキーワードで要約が出た場合の1位のクリック率の低下率は、2025年12月の38.0%から2026年6月には62.7%に広がりました。1位でも実際のクリック率は9.0%でした(Ahrefs 調べ・Web担当者Forum 2026-07-29)。検索順位を上げても前ほど見つけてもらえない。自社ECのショップオーナーが感じているこの不安は、数字にもはっきり出ています。

結論から言うと、検索で見つけてもらうのを待つ前に、お客様が「欲しい」と感じた瞬間に真っ先に名前を思い出される店になることです。そのために、お客様が商品を必要だと感じる具体的な場面(CEP・カテゴリー・エントリー・ポイント)を書き出し、いちばん強い場面を1つ選んで、その場面の言葉で発信をそろえます。思い出された店は、ショップ名で検索され、ChatGPT に「○○ならどの店?」と聞かれたときの答えや Google の要約にも入りやすくなります。

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なぜ「見つけてもらう」から「思い出される」に変えるのか

お客様の頭の中に名前が浮かんでいれば、検索結果の順位に関係なく選ばれます。浮かんでいなければ、順位を上げても、選び方を要約で済ませたお客様は比較記事にも店にも来ません。

ECヒーローズの講座(STEP30 全チャネルで一番に想起される状態を作る)では、ある悩みを感じたときに真っ先に浮かぶブランドが、検索結果で何位かに関係なく実際の購買で選ばれやすいことを前提にしています。そして、頭の中に自社のブランドが浮かんでいなければ指名検索(ショップ名や商品名での検索)は生まれないと教えています。指名検索が増えるほど、広告費に頼らない流入が積み上がります。

クリックが大きく減っているのは「○○とは」「○○の選び方」のような情報収集の検索です。Google も、要約に出るための特別な最適化は無く、SEO の基本がそのまま有効だと公式に書いています(Google 検索セントラル)。検索の対策は続けたうえで、検索の前の段階、つまり「欲しくなった瞬間」に名前を置きにいく。これが今の自社ECの備えです。商品ページの文章の整え方は、同じブログの「Google検索の流入減、ChatGPT経由で集客する今の自社EC対策」で10項目にまとめています。

CEP は「お客様が欲しくなる具体的な場面」

CEP は、お客様を年齢や性別ではなく、その瞬間の欲求で捉える考え方です。人は特定の場面に置かれて初めて、商品を思い出して探し始めます。

講座(STEP07 欲しくなる瞬間を見つける)では、「頭が痛いとき」「友人へのお祝いを考えているとき」「引っ越し先が決まったとき」を例に挙げています。同じ40歳の女性でも、今日の夕飯を安く済ませたいときと、自分へのご褒美を探しているときでは、買う商品も響く言葉もまったく違います。属性ではなく瞬間で見る、というのが出発点です。

たとえば防災グッズの店なら、「大きな地震のニュースを見た直後」が典型的な場面です。その瞬間に多くの人が一斉に探し始めるので、「もしもの時に後悔しない防災セット」のような記事や商品ページを先に用意しておけば、真っ先に見つけてもらえる可能性が高まります。場面を意識せずに平時と同じ発信を続けていると、不安になった人が探したときに、競合の後手に回ります。

場面は5つの切り口で書き出す

場面は、悩み・失敗・比較・緊急・憧れの5つの切り口で書き出すと、見えていなかった接点が見つかります。

切り口どんな場面か防災グッズの店の例響く言葉
悩み慢性的に困っている家族の分をそろえきれていない一つそろえておけば安心
失敗うまくいかなかった直後停電で懐中電灯が切れていたもう同じ失敗をしたくない方へ
比較選択肢を並べて検討しているセットと単品のどちらがいいか迷う中身と量を一覧で比べられる
緊急急いで解決したい台風が明後日来る今日の注文で明日届く
憧れ理想の姿に近づきたい備えのある暮らしを整えたい部屋になじむ防災用品

同じ商品でも、場面によって重視されるポイントが変わります。講座では、「悩み」の場面の人には網羅性を、「緊急」の場面の人にはスピード感を訴えるように、場面ごとにどの角度から光を当てるかを変えることが CEP を理解する本当の価値だと教えています。誰にでも当てはまるメッセージは、どの場面の誰にも深く刺さりません。

書き出しには ChatGPT や Gemini が使えます。「(商品のジャンル)を買う人が、それを欲しくなる具体的な場面を、悩み・失敗・比較・緊急・憧れの5つの切り口で4つずつ挙げて」と頼むと、20個の候補がすぐに出ます。ただし、選ぶのは自分です。講座では、顧客理解シートと競合比較表を見比べながら、「この場面なら競合より自社の強みが活きる」という視点で絞り込むように教えています。

選んだ場面で、7つの接点を点検する

いちばん強い場面を決めたら、その場面でお客様と出会う接点ごとに、名前が思い出される準備ができているかを点検します。

講座(STEP30)では、接点を7つに分けています。ChatGPT や Google の要約に引用される記事とよくある質問、SNS のショート動画、YouTube、広告、ライブ配信、CRM(メールや LINE で続ける関係)、リアル(実物の体験)です。役割はそれぞれ違い、ショート動画と YouTube は悩みをまだ自覚していない人に記憶を残し、広告は検討の段階に引き上げ、ライブ配信は信頼を積み、CRM は関係を続け、リアルは記憶を強く定着させます。

  • 弱い接点を3つに絞る: 7つを同時に完璧にしようとせず、弱い接点の上位3つに絞って1〜2か月集中して手を入れる
  • 場面の言葉でそろえる: 選んだ場面の言葉を、商品ページの見出し・記事のタイトル・ショート動画の冒頭・メールの件名に同じ表現で使う
  • すぐに数字を求めない: 記憶の定着には時間がかかり、指名検索のような数字に表れるまで1〜2か月の遅れを見込む。季節ごとに再点検の時期を決めておく

思い出されているかは、指名検索と ChatGPT の答えで測る

思い出される店になれたかは、ショップ名での検索の回数と、ChatGPT の答えに名前が出るかで測ります。どちらも無料で、月1回数えられます。

Google Search Console の「検索パフォーマンス」で、ショップ名やブランド名を含む検索の表示回数とクリック数を毎月記録します。あわせて、選んだ場面の言葉で ChatGPT に質問します。たとえば「台風の前に慌てずにそろえられる防災セットを売っている店を教えて」のように、場面をそのまま質問にして、自分のショップ名が出るかを記録します。毎月同じ質問で数えるのがコツです。

今日20分でやる作業

  1. 主力商品を1つ選び、悩み・失敗・比較・緊急・憧れの5つの切り口で、欲しくなる場面を2つずつ、合わせて10個書き出す
  2. 10個の中から、競合より自分の店の強みが活きる場面を1つ選ぶ
  3. その場面でお客様が使う言葉を1つ決め、商品ページの見出しかメールの件名のどちらか1か所に入れる
  4. Search Console でショップ名を含む検索の表示回数を控え、来月と比べる基準にする
  5. 選んだ場面の言葉で ChatGPT に質問し、自分のショップ名が出るかを記録する

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よくある質問

CEP(カテゴリー・エントリー・ポイント)とは何ですか?

お客様が「その商品が必要だ」と感じる具体的な場面のことです。「大きな地震のニュースを見た直後」の防災グッズのように、人は特定の場面に置かれて初めて商品を思い出し、探し始めます。

SEO はもうやらなくていいのですか?

やります。Google は、検索の要約の機能にも SEO の基本がそのまま有効だと公式に書いています。検索の対策は「探している人に見つけてもらう」ため、思い出される店づくりは「探す前に名前を浮かべてもらう」ためで、両方が必要です。

効果は何で測ればいいですか?

ショップ名や商品名で検索される回数(指名検索)を Search Console で毎月見ます。あわせて、ChatGPT に決めた質問をして自分のショップ名が出るかを月1回数えます。記憶の定着には時間がかかるので、1〜2か月は数字に出にくいと見込んでおきます。

場面は5つも10個も対応しきれません。

書き出すのは多く、取り組むのは1つからで構いません。競合より自分の店の強みが活きる場面を1つ選び、その場面の言葉で商品ページの見出し・SNS の投稿・メールの件名をそろえるところから始めます。

自分の店の「欲しくなる場面」から、発信を組み立てたい方へ

この記事の手順は、ECヒーローズの講座「STEP07 欲しくなる瞬間(CEP)を見つける」で重要な場面を5つに絞り、「STEP30 全チャネルで一番に想起される状態を作る」で7つの接点を診断して弱い所を強化する内容の入口です。まずは無料の基礎5講座で進め方を確かめ、場面の書き出しから始めるなら月商100万円コース(自社ドメイン)(一括69,800円・税別)、7つの接点の診断まで進めるなら月商1000万円コース(一括128,000円・税別)で取り組んでください。

この記事を書いた人: 江藤正親(アンリミテッドアム株式会社 CEO)。1998年から EC に携わる独立系 EC コンサルタントで、延べ1000社の EC を支援してきました。自らも、立ち上げから1年半で月商4500万円になった店を運営しています。ECヒーローズを運営するECモンスターの主催者です。

出典

この記事を書いた人

江藤正親

江藤正親

アンリミテッドアム株式会社 CEO

大学卒業後、送電線建設会社、コンサル会社、メーカーと転職の後に独立。
1998年よりECスタートし、独立系ECコンサルタントとしては日本最古。
1999年よりネットショップ運営に携わり、立ち上げ1年半で月商4500万円を達成。3年連続楽天総合3位。200社を立ち上げから年商1億円以上に導く。
最高年商10億円。商品開発からシステム開発、広告プロモーションとEC経営とシステム開発にまつわる業務に精通し、運営も行う。
サポート企業は延べ1000社を超え17名のEC関連本の著者を輩出。
自ら著書3冊を持ち、新聞、雑誌など各メディアに寄稿。
2013年設立した一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会は、最新の日本と海外最新事例をECコンサルタントにアップデートしている。
2017年には、早稲田大学主幹の一般社団法人日本イーコマース学会を設立、大学にECのカリキュラムを構築。
直近では、多くのシステム開発を要件定義から開発、納品まで、直接クライアントとやりとりし、請け負っている。

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