Google検索の流入減、ChatGPT経由で集客する今の自社EC対策
アンリミテッドアム株式会社 CEO
Google 検索の上に要約が出る検索では、1位の記事のクリック率が、要約が出ない場合に比べて62.7%下がっているという調査結果が日本で報じられました(Ahrefs 調べ・2026年6月の数字。Web担当者Forum 2026-07-29)。一方で Shopify Japan は2026年3月、ChatGPT や Microsoft Copilot、Gemini アプリの会話の中で商品を売れる仕組み「Agentic Storefronts」を発表しました(ECのミカタ)。検索で順位を取っても前ほどクリックされず、代わりに ChatGPT や Google の要約から流入が生まれる。自社ECのショップオーナーが感じている不安は、数字にもはっきり出ています。
結論から言うと、ChatGPT や Google の要約に選ばれるための特別な裏技はありません。やることは、商品ページの10項目を「事実と数字」で埋めることです。Google は公式の説明で、要約に出るための追加の条件や特別な最適化は無く、SEO の基本がそのまま有効だと書いています(Google 検索セントラル)。つまり、商品ページを正しく整えた店ほど、検索でも ChatGPT でも Google の要約でも選ばれやすくなります。
何が変わったのか。減ったのは「情報収集」の検索のクリック
クリックが大きく減っているのは、「○○とは」「○○の選び方」のような情報収集の検索です。商品名や店名で探す人がいなくなったわけではありません。
上の Ahrefs の数字も、情報収集型のキーワードで要約が出たときの1位のクリック率を見たものです。お客様は、選び方や比べ方を要約や ChatGPT で済ませ、「これを買う」と決めてから商品ページに来るようになっています。流入数は減っても、購入直前の見込み客が増えるということです。
実際に、SEO ツールの会社 Ahrefs が自社サイトを調べたところ、ChatGPT などからの流入は全体の0.5%しかないのに、コンバージョン(申し込み)の12.1%を占めていました(Ahrefs 2025-06・1社の数字)。量は小さくても、購買意欲の高い見込み客の流入経路だと考えてください。
| これまで | これから | |
|---|---|---|
| お客様が選び方を調べる場所 | 検索結果から比較記事を開く | Google の要約や ChatGPT で済ませる |
| 商品ページに来る人 | まだ迷っている人も多い | 買う候補を決めてから来る人が増える |
| 商品ページの役割 | 説得して買ってもらう | 要約や ChatGPT に正しく説明され、来た人の最後の確認に答える |
ChatGPT や Google の要約は、商品ページの「文章」を読んで説明する
要約や ChatGPT が商品を紹介するとき、材料になるのはページに文字で書かれた事実です。画像の中の文字やバナーだけに書いた情報は、読まれにくくなります。
Google の公式の説明でも、重要な内容は文字で載せること、構造化データ(検索エンジン向けに商品名・価格・在庫などを決まった形で書く情報)はページに見えている文章と一致させること、robots.txt でクロールを止めないことが挙げられています(Google 検索セントラル)。ECヒーローズのサイトでも、Google・Bing・ChatGPT の検索・Perplexity のクローラー(ページを読みに来るプログラム)を robots.txt で止めていないことを確かめています。自分の店でも、テーマやアプリの設定で止めていないかを一度見てください。
商品ページで直す10項目
自社ECにはモールのような決まりが無いぶん、誰も直せと言ってくれません。ECヒーローズの講座では、次の10項目を商品を登録するたびに確かめるチェックリストとして使います。
| # | 項目 | 何を書くか・どう直すか |
|---|---|---|
| 1 | タイトルタグ | 「商品名+検索キーワード(用途・素材・サイズ)」。ショップ名は後ろに |
| 2 | メタディスクリプション | 誰向けか・何が違うか・届く日数を120字前後で |
| 3 | 見出し(h1) | ページに1つ。タイトルタグと同じ商品名 |
| 4 | 商品説明文のキーワード | お客様が使う言葉で、素材・容量・サイズ・使い方を数字で書く |
| 5 | 画像の alt 属性 | 「何が写っているか」を1文で。色・向き・使用シーン |
| 6 | 構造化データ(Product) | 商品名・価格・在庫・レビューを、ページの表示と同じ値で |
| 7 | 表示速度 | Google の PageSpeed Insights で測る。重い画像を軽くする |
| 8 | 内部リンク | 関連商品・使い方の記事・カテゴリーへのリンク |
| 9 | レビュー | 購入後のメールで投稿をお願いし、ページに表示する |
| 10 | よくある質問 | 実際の問い合わせから作る。数字と条件で答える |
講座のケーススタディ(架空の自然派コスメの店)では、半年間チェックせずにページを増やし続けていた店が、売れている上位20商品から alt 属性・構造化データ・よくある質問を整え、3か月後に自然検索の流入が約2.3倍になり、ChatGPT などからの流入も出始めたという流れで説明しています。全商品を一度に直す必要はなく、売れている商品から順に直すのが近道です。
選ばれる商品情報は「比べられる事実」で書く
ChatGPT や Google の要約は、お客様の質問に合う商品を比べて答えます。比べられる事実が書いてある商品ほど、答えの中に入りやすくなります。
- 数字で書く: 「たっぷり」ではなく「300ml・約2か月分」。「すぐ届く」ではなく「平日14時までの注文は当日発送」
- 誰向けかを書く: 「敏感肌の方」「60サイズの段ボールで届く」「一人暮らしのキッチン向け」
- 条件を書く: 送料・返品の条件・保証・サブスク(定期購入)の休止方法。お客様が「送料無料の店は?」「返品できる?」と聞いたとき、答えの材料になるのはこの一文です
- お客様の言葉を使う: 問い合わせやレビューに出てくる言い方を、そのまま商品説明とよくある質問に入れる
よくある質問は、想像で作らずに実際の問い合わせから作ります。問い合わせのメールを ChatGPT に貼り、「この問い合わせから、商品ページに載せるよくある質問を5つ、数字と条件を入れて作って」と頼めば、下書きはすぐにできます。最後に、事実と違う所が無いかを自分で直してから載せてください。
Shopify・BASE で今日から確かめられること
Shopify Japan の発表では、Agentic Storefronts で ChatGPT の中で買えるのは、2026年3月の時点で米国の購入者だけです。日本の購入者向けの販売はまだ始まっていません。ただし発表では、日本の店も ChatGPT などで見つけてもらえるようになるとしていて、ChatGPT 経由の注文は Shopify の管理画面に記録されるとしています(ECのミカタ・2026-11-03 確認)。日本で買えるようになったときに選ばれるかどうかは、今の商品ページの中身で決まります。
BASE でも Shopify でも、すぐにできることは同じです。Google の Search Console で商品ページがインデックス(検索エンジンへの登録)されているかを確かめ、上の10項目を売れている商品から埋めていきます。
今日30分でやる作業
- 直近30日で一番売れている商品を1つ選ぶ
- 上の10項目を「できている/できていない」で1つずつ点検する
- 商品説明に、数字(容量・サイズ・届く日数)と条件(送料・返品)が無ければ書き足す
- 過去の問い合わせから、よくある質問を5つ作って載せる
- ChatGPT に「(商品のジャンル)でおすすめを教えて」と聞き、自分のショップ名が出るかを記録する。月に1回、同じ質問で数える
よくある質問
ChatGPT 用に特別な書き方をする必要はありますか?
ありません。Google は、要約に出るための特別な最適化や特別な構造化データは不要だと公式に書いています。商品ページを事実と数字で整えることが、そのまま対策になります。
日本の店も ChatGPT の中で商品を売れますか?
Shopify の Agentic Storefronts で ChatGPT の中で買えるのは、2026年3月の発表時点で米国の購入者だけです。日本の購入者向けの販売はまだ始まっていません。
全部の商品ページを直す時間がありません。
売れている上位の商品から直してください。1日1商品でも、10項目を埋めたページが増えるほど効果が積み上がります。
Google 検索の対策はもう要らないのですか?
要ります。Google は、要約の機能にも SEO の基本がそのまま有効だと書いています。検索の対策と、ChatGPT や Google の要約に選ばれる対策は同じ作業です。
自分の商品ページで10項目を仕上げたい方へ
この記事の10項目は、ECヒーローズの講座「STEP11 自社ドメイン編」と「STEP16 プラットフォームを営業設計にする」で、自分の商品ページに全項目を当てはめ、足りない文章をその場で作る内容の入口です。まずは無料の基礎5講座で進め方を確かめ、続けるなら月商100万円コース(自社ドメイン)(一括69,800円・税別)で取り組んでください。
この記事を書いた人: 江藤正親(アンリミテッドアム株式会社 CEO)。1998年から EC に携わる独立系 EC コンサルタントで、延べ1000社の EC を支援してきました。自らも、立ち上げから1年半で月商4500万円になった店を運営しています。ECヒーローズを運営するECモンスターの主催者です。
出典
この記事を書いた人
アンリミテッドアム株式会社 CEO
大学卒業後、送電線建設会社、コンサル会社、メーカーと転職の後に独立。
1998年よりECスタートし、独立系ECコンサルタントとしては日本最古。
1999年よりネットショップ運営に携わり、立ち上げ1年半で月商4500万円を達成。3年連続楽天総合3位。200社を立ち上げから年商1億円以上に導く。
最高年商10億円。商品開発からシステム開発、広告プロモーションとEC経営とシステム開発にまつわる業務に精通し、運営も行う。
サポート企業は延べ1000社を超え17名のEC関連本の著者を輩出。
自ら著書3冊を持ち、新聞、雑誌など各メディアに寄稿。
2013年設立した一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会は、最新の日本と海外最新事例をECコンサルタントにアップデートしている。
2017年には、早稲田大学主幹の一般社団法人日本イーコマース学会を設立、大学にECのカリキュラムを構築。
直近では、多くのシステム開発を要件定義から開発、納品まで、直接クライアントとやりとりし、請け負っている。
